文科省が、世界トップレベルの研究力を目指す国際卓越研究大学の初の認定候補として東北大を選んだと発表した。10兆円規模の大学ファンドが国際卓越研究大学を支援する。2024年度から助成が始まり、助成額は100億円で最長25年間続く計画だ。海外のトップレベルの大学が近年、豊富な資金を背景に研究力を高めているのに対し、国内では論文の質や量などの低下が指摘されているのが現状だ。海外のトップレベルの大学並みに豊富な資金を供給し、国際的な卓越研究を育成するのが目的だが、一極集中予算は現在の日本の大学の立て直しに有効なのだろうか。現在の日本の大学は非正規雇用の研究者が殆どだ。生活が安定しない研究者に腰の入った研究を続けることは難しい。大学の基盤的経費である国からの運営費交付金が、国立大学法人化が始まった2004年度から毎年1%ずつ減っている。研究者の非正規化は国立大学法人化が元凶だ。更に筑波大の研究によると、科学研究費助成事業の投資効果を調べた結果、国が進める選択と集中路線よりも広く浅く配分する方が効果的だと結論している。日本の大学の研究力低下は文科省の政策によるところ大と言うのは間違いない。
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