高校の歴史授業では明治以降のことを殆ど習わなかった。特に太平洋戦争は「1941年の真珠湾攻撃に始まり、1945年8月15日に終戦を迎えた」程度の内容だった。だから、日本人の殆どは、明治以降の歴史に疎いのが現状だ。ポツダム宣言受諾による日本の降伏を日本国民に伝える玉音放送が流れた1945年8月15日をもって「終戦の日」としている。ところが、有馬哲夫早大教授は「終戦の日はソ連軍が終戦協定に調印した9月2日に改めるべきだ」と主張している。ポツダム宣言はスターリンの受諾を得ていない。つまりソ連が日本の戦後処理に加わらないように米英によって外されたのだ。ソ連は日ソ中立条約に反して8月9日に侵略を開始した。ソ連は終戦協定に調印していないので、協定に拘束されず15日以降も侵略を続けた。満州では、ソ連軍による略奪、暴行、強姦、虐殺が8月15日以降も続き、20万人を超える日本人が命を失った。さらには、約60万人の日本の軍民がシベリアに強制連行され、次の1年間で約6万人が死亡した。ソ連は9月2日に他の連合国とともに終戦協定に調印した。それ故、有馬教授は「終戦の日は8月15日ではなく、9月2日にすべき」と主張している。因みに、スターリンも加わったカイロ会談で「侵略で得たものを領土とすることは出来ない」と確認されている。従って、ソ連が8月9日以降侵略で占領した日本の領土である南樺太、全千島列島は日本に返還すべきものだとも主張している。今後、明治以降の歴史を学び直すことが益々重要になる。
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