政府の計画では福島原発事故処理水を夏頃から福島沖に放出することになっている。漁業関係者とは多額の金で折り合いが付いた。国際原子力機関IAEAのグロッシ事務局長のお墨付きも得た。でも漁業への風評被害が払拭された訳ではない。そこに、山口公明党代表が「放出は直近に迫った海水浴シーズンを避けたほうがよい」と言い出した。これに与野党から「これこそ風評被害だ」と批判の声が挙がった。まさに風評被害そのものだと思う。ところが、一夜明けると山口は「昨日の発言は、安全性を周知するための時間が必要だ」という趣旨だったと釈明した。苦しい弁解だ。あと2ヶ月もすれば周知出来るとでも考えているのだろうか。それとも、処理水は人間には害となるが、魚には無いとでも思っているのだろうか。恐らく山口は中韓の反発を意識して、オベンチャラの積もりで発言したのだろう。それにしても処理水放出を進める保守のリーダーが風評をまき散らすとは思わなかった。もっと驚いたのは「海水浴シーズンを避けろ」が「安全性を周知するための時間」に変わったことだ。政治家は黒くても白いと言い張ることが多い。黒を認識しているから白と言いたい訳だ。でも、山口は「黒いものは白いもの」と言った。もはや黒も白も認識が出来ないということになる。
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