JBpressの記事「建設か否かで紛糾した八ッ場ダム、5320億円かける価値あったのかを検証」が目に留まった。民主党政権時代に前原元国交相が建設にストップをかけたが、自民党が建設を再開し完成させたあのダムだ。このダム建設の目的は、東京への給水、工業用水としての利用、洪水の防止だった。2019年の台風豪雨で、試験湛水を始めたばかりで、ほぼカラだった八ッ場ダムが一気に一日で満水となった。テレビでは「八ッ場ダムが洪水を防いだ」と報道された。当時は、結局作っておいて良かったのだと思ったものだ。ところが、この記事によると八ッ場ダムが無くても水位は17cmしか上がらないとのこと。「洪水を防いだ」なんて真っ赤なウソだったのだ。給水に関しても、東京の給水量は1990年から2021年にかけて3割減っている。東京への給水も必要無かったのだ。更に、工業用水としても使われていない。結局、八ッ場ダムは何の役にも立たず、只ひたすら水を溜めているだけなのだ。水源開発問題全国連絡会は「八ツ場ダムの小さな治水効果を期待するよりも、河床掘削で河床面の維持に努めることの方がはるかに重要である」旨の論考を発表した。今後国交省が、ダムと堤防だけに頼る旧来型の治水から、森林の保水力も含めた流域治水に転換することを願いたいものだ。
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