アマ将棋と言えば、ヘボ将棋と相場は決まっている。落語にも良く出て来る。「将棋の殿様」が有名だ。将棋を覚えたての殿様が、飛車が相手の駒を飛び越えたりするなどルールを逸脱して家臣を負かし、勝つと家臣の頭を鉄扇でピシャリ。家臣たちが困っていると、将棋に強い元家老が現れ殿様と対局する。例によって殿様の飛車が飛び越すと、元家老はその飛車を投げ返し、いやしくも盤上の軍師たる飛車たる者が、軍略・陣法に従わず、卑怯にも道なき所を飛び越して参るのは将棋の法、軍法にそむいている、と諭し鉄扇で殿様の膝をピシャリ。殿様はポロポロ泣いて「明日から将棋を指す者には切腹を申し付けるぞ」という落ち。古今亭志ん生の「雨の将棋」も有名だ。王将の駒が無いので死んだ油虫を代用した。勝負が始まるが、王将が無くなっている。油虫が生き返ったのだ。わあ~っ、股ぐらに入って来やがった。王将かなわないもんだから、金の後ろに逃げたんだ、という落ち。昔から何としても勝ちたいのが将棋だ。先日の将棋アマチュア大会「学生名人戦」で、決勝の対局中に将棋ソフトを使用したとして、優勝者が大会規定違反で失格になったとのニュース。失格者は前世で殿様だったのかもしれない。
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