政府が黒田日銀総裁の後任に経済学者の植田元審議委員を指名した。今まで政府は雨宮副総裁に打診し続けてきたので植田の起用はサプライズ人事だ。次期総裁にとって、黒田・雨宮コンビが10年も続けてきた大規模金融緩和からの出口戦略が最大の課題だ。大規模緩和で日銀資産が4倍に膨らんでいるので、出口で多額の損失が出るリスクがある。縮小に向かえば、ETFの売却で株価が大きく下がる要因にもなる。最早日銀は身動きの出来ない状況に陥っている。このような状況にありながら、大規模金融緩和の張本人である雨宮副総裁は次期総裁を頑なに固辞したという。雨宮はその理由を「次期総裁には大規模金融緩和の点検と修正が求められるが、自分は当事者なので客観的に公正な見直し作業が出来ない。また、中央銀行のトップ人事の世界標準は学者であり、内部昇格や官界からの登用などではない」と屁理屈を言っている。要は「食い散らかして逃げます」ということだ。自分のケツも拭けない輩と見える。兵隊であれば敵前逃亡に等しい。出口戦略は誰がやっても失敗する。他人に押しつけるのは無責任の極みと言えそうだ。
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