加藤厚労相が、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけの見直しを検討すると発表した。ニュースでは、2類相当を5類に変更すると報じているが、正確には違う。当初は2類相当とされていたが、2020年の法改正で、5つの類型に入らない「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられた。その結果、外出自粛要請など「2類」よりも厳しい措置がとれるほか、緊急事態宣言のような強い行動制限が出来るようになった。また、感染対策を取っていれば、都道府県の指定で一般の病床でも患者を受け入れることも出来る。感染症の分類と措置の一覧表にある○印は、やらなければならない措置ではなく、出来る権限を示している。だから、現在は2類相当とは言いながら、5類に限りなく近くなっている。では、5類に変更すると何が変わってくるのだろうか。5類に変更しても実態は変わらない。行動制限が無くなっても、自主的な行動制限が必要になる。就業・登校制限も変わらない。病院も感染予防上、これまでの対策と変わらない。ワクチン・治療薬の公費負担は無くなる。5類の麻疹と同様に予防接種法に基づき公費負担とすべきだろう。このままコロナが収束するのであれば、5類への変更は問題ない。しかし、コロナは変異する。いつ感染力が高く、致死率が高い変異種が現れるか分からない。従って、当面は厳しい措置の取れる「新型インフルエンザ等感染症」に留め置いた方が賢明だと思う。
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