JR東日本が利用者の少ないローカル線について、2021年度の収支状況を公表した。平均旅客輸送人員が2000人未満だった35路線66区間で、全区間が赤字だった。JR東は今回の公表が廃線などに直結するものではないとしたうえで、「具体的な経営情報を地方の方々と共有し、地域にとって最適な交通体系を議論させていただきたい」としている。勿論JR東の狙いが「赤字線の廃止かバスへの切り替え」であることは間違いない。赤字の合計額は679億円で、赤字額が最も大きかったのは、羽越線の村上~鶴岡間で約50億円だったとのこと。国交省の有識者会議も7月に「バスへの切り替えを検討するように」と提言している。しかし、このように細切れに路線の採算性を評価するのは、基本的に間違っていると思う。細切れに採算性を評価するのであれば、同時に大黒字の大都市路線の大幅な運賃値下げも提案すべきだと思う。根本的な間違いは、細切れで採算性を評価することだ。鉄道は地域と地域を繋ぐ血管のようなもの。路線を細切れにしてしまうと地域が壊死してしまう。鉄道は高齢化社会にとって欠かせないものでもある。採算性は全路線を対象にして評価すべきものだと思う。JR東は儲かっている。JR東には公共性がある。安易に廃線を口にすべきではない。
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