スポーツウォッシングという言葉がある。「きれいごとで塗りつぶす」という意味のホワイトウォッシングという言葉のスポーツ版だ。五輪やサッカーW杯を開催することで、国内の不都合な問題を覆い隠そうとする行為を指摘する際に使われる言葉だ。カタールは汚職まみれで人権を無視した国だ。カタールでは、会場建設に従事した外国人労働者が劣悪な環境で働かされ6500人超が命を落としている。また同性愛者への差別などの人種差別が行なわれている。それに対し、各国の選手が抗議を示す行動をしようとしたがFIFAは禁止した。FIFAは「スポーツに政治を持ち込むのは好ましくないから禁止した」と言う。確かに、政治を持ち込むことは避けるべきだと思う。だが、政治と人権問題は別物だ。選手らは人権問題を抗議している。人権を守ろうとする行為を禁止することこそスポーツウォッシングなのだ。FIFAは2つの間違いを犯している。1つは、開催国に人権を無視するカタールを選んだこと。もう1つは、率先してスポーツウォッシングをしていること。FIFAの在り方が問われている。
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