7月の参院選の1票の格差が最大3・03倍だったことに対し、16件の訴訟が起こされている。現在、合憲との判決は4件、違憲状態は4件となっている。2019年の参院選では、合憲14件、違憲状態2件で、最高裁は合憲とした。時が進み、違憲状態と判断する裁判所が増えているのが事実だ。でも未だに「違憲」は無かった。ところが、仙台高裁が、今回初めて「違憲」との判決を出した。2015年の公選法改正で隣接する選挙区を統合する合区が導入されてから初めての違憲判断だ。思い起こせば、1992年の格差は6.59倍もあった。それが2019年には3.03倍になったのだから、着実に格差解消に向かっていることは間違いない。ここで緩んで良いのだろうか。自分は、1票の格差は限りなく1.0に近づけるべきだと思っている。そう言うと、必ず「地方を見捨てるのか」という声が挙がる。だが、この手の主張が、国政を惑わせていると思う。まずは格差を無くすことが大切。それを達成しつつある中で、地方を考慮した方策を編み出すことが大切だ。そういう意味で、今回の仙台高裁の違憲判決は、世の中を正道に戻すきっかけとなる判決だと思う。
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