トラス英首相が、就任1ヶ月で、公約だった大型減税7.6兆円を全面撤回した。このブログ「英国の大幅減税政策の行方」で、成功することを疑問視していた。もし、上手くいけば、世界中の経済政策が様変わりすることになる可能性もあったのだが。しかし、案の定大失敗に終わった。財源確保の当ても無いのに大型減税を打ち出したのだから、失敗は目に見えていた。今や、債券安、通貨安、株安のトリプル安を招き、年金基金の資産が大幅に目減りしてしまった。更に10兆円規模のエネルギー価格高騰対策の財源確保の見込みも無い。トラス政権の政策は、まるで絵に描いた餅そのものだったのだ。トラスを首相に選んだ保守党員の責任は重い。答えは、労働党への政権交代しか無いだろう。でも、トラスの失敗は日本政治には役に立つ。野党は、財源の裏付けも無いのに、消費税撤廃などの大型減税を主張する。トラスの後ろ姿は、明日の我が身と知るべし。これを契機に、実質的な政策論議がなされることを期待したいものだ。
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