ヒトの寿命は、長くても120歳が限界と言われている。染色体DNAの末端部分はテロメアと呼ばれ、細胞分裂でDNAが複製されるたびにテロメアは短くなる。しかしその回数には限度があり、それを超えると細胞はそれ以上分裂出来なくなってしまい老化する、というのが学説だ。ところが、いまや最大寿命250歳を目指す抗老化研究がある。米国を中心に「老いなき体」を手に入れようとする老化研究ビジネスが進みつつあるという。日本でも早野慶大医学部講師が研究している。遺伝子のDNAの特定の部分に傷がつくと、細胞がそれを「エピゲノム」という形で記憶し、スイッチが入ったように老化が加速する。だが、山中ファクターと呼ばれる遺伝子を誘導すると、エピゲノムがリセットされて若返りが図れることが分かってきた。筋肉と筋力の減少症は、OK-1という化合物で改善される。バイオレットライトで認知機能やうつ症状が改善される。老化により組織や臓器は硬くなるが、レスベラトロールやメチオニンが硬さを戻す。老化研究の成果によってヒトの最大寿命を250歳くらいまで延ばし、しかも老化したり病気になったりせず、青年のような若々しい体を維持できるようにするのが目標だという。老化による病気を1つ1つ治すより、老化そのものを病気として治療するのは医療経済的にも合理的だと言う。人生100年の時代になって、アタフタしているのに、250年になったら、どうしよう。
コメントをお書きください