エリザベス・トラスが英国の新首相に就任した。鉄の女サッチャーの再来と取り沙汰されているが、どのような人物なのだろう。ジョンソン首相が辞意を表明し、保守党党首選挙が行なわれた。議員投票で勝ち上がり、党員による決選投票に進み、スナック前財務相を逆転で下し当選した。サッチャー、メイに続き史上3人目の女性首相の誕生だ。サッチャーは保守主義という鉄の信念を持っていた。トラスは鉄の女サッチャーの再来とも言われているが、鉄の風見鶏と評するメディアもある。トラスの両親は左派で、幼い頃はデモに参加しサッチャー首相の辞任要求を叫んでいたという。ブレグジットでは、最初は残留派だったが、離脱が決まると熱心な離脱派に宗旨替えした。これが示すように、目の前の聴衆に合わせて発言が変わり、政策面に一貫性が無いと言われている。党首選での勝因も、国民に耳ざわりの良いバラマキ政策をまくし立てたからと言われている。総額約5兆円の即時減税、法人税増税の撤回、国民保険料の値下げ、光熱費のグリーン課税の凍結、等々だ。もしも財源の確保が出来れば、カリスマ的首相になるのだろうが。残念ながらその確率は極めて低い。そもそも、保守党員は約17万人で、全人口の0.3%に過ぎない。しかも、白人が圧倒的で、伝統的価値観を重視する年配男性が多いとされている。トラスは、単に身内の選挙に勝っただけかもしれない。いずれにしても、就任1週間以内に、光熱費対策と長期的なエネルギー調達についての計画を発表するとのこと。これを見れば今後の見通しが立つだろう。
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