河野太郎デジタル相が、勧告権を積極的に活用すると表明した。勧告権とは、デジタル庁が各省庁に対し、システム整備の関連予算や事業内容を指示することが出来る権利のこと。菅前首相が新型コロナ禍で露呈した行政のデジタル化の遅れに危機感を抱き、言うことを聞かない省庁に対し、司令塔としての強い権限を与えたのだ。いわば、伝家の宝刀だ。ところが、初代デジタル相の平井は、宝刀を抜く間もなく暴言などで退任。二代目の牧島に至っては、デジタル庁すら動かすことが出来ず、無用の庁にしてしまった。勿論、宝刀を抜いたことなどない。抜くには政治力が貧弱すぎた。折角、デジタル庁を創設したのに、両者とも役者不足の人事ミスだった。やっと、勧告権を使えそうな政治家が就任した。河野太郎だ。河野大臣の突破力と発信力が期待される。軌道の上を走るような仕事は誰でも出来る。しかし、各省の抵抗を打ち破るような仕事が出来る政治家は殆どいない。河野太郎のデジタル相就任は、まさに適材適所と言えそうだ。
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