日経朝刊の1面に「インフレ税」の文字。またまた国民からむしり取るための新税の創設かと思った。ところが、良く読むとそうではない。インフレでお金の価値が下がることで、政府の借金の返済負担が実質的に軽くなることとのこと。インフレが10%進めば、政府の借金もほぼ10%減り、その10%分の金額をインフレ税と呼ぶ。購買力が民間から政府に移転する形になるため「税」の文字がつくようだ。欧米のインフレ税は2年で600兆円に達していてメリットがあるが、インフレが過度に進めばリスクもある。一方、日本は欧米よりインフレが進んでおらず、インフレ税は小さいが財政悪化の懸念を抱え続けることになる。過去にインフレ税が注目されたのは第2次世界大戦後のこと。経済学上は正しい表現かもしれないが、今の増税時代には誤解を与えやすい表現と言える。日経の表現選択ミスと言えそうだ。
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