記者クラブがNHKを除名処分に

兵庫県警記者クラブが総会を開き、NHKを除名処分にしたとのこと。処分理由は「幹事社業務を怠り、遺族と報道機関との信頼を損ねた。更に説明責任を尽くさず、クラブの品位を傷つけた」とある。処分内容は、今後クラブが主催・共催のレクや記者会見への出席を認めず、クラブ内のブース使用も禁止。かなり厳しい処分だ。問題となったのは、知床遊覧船の事故をめぐるNHKの報道だ。事の顛末はこうだ。同事故の過熱する報道に対して遺族側から苦情が入っていた。兵庫県在住の遺族に対し、記者クラブは各社で協力して代表を決め、節度ある取材を進めることを申し合わせ、代表が遺族に取材した。その後NHK札幌局の記者が個別取材をかけた。その際遺族は「全社で共有してください」と伝え、遺族向け説明会などで得た情報を資料として託した。だが、NHKはKAZU Iが以前から不適切な運航をしていたという独自ネタを流したのだ。遺族が何故NHKだけが報道するのかとクレームを付けたことで、NHKの抜け駆けが発覚。その後NHKを問い詰めたが回答は無かった。記者クラブは「遺族の心情を考え、みんなで話し合って代表取材としたのに、幹事社のNHKが立場を利用してご遺族を裏切った。しかもプロセスへの説明責任も果たさない」として、NHKの追放を決めたという。殿様取材のNHKに適切な処分が下ったと見るべきだろう。