新型コロナウイルスの4回目接種の対象者は60歳以上に決まった。3回目接種では高齢者の接種率は高いが、感染増加が顕著な若年者では低いことが問題になっている。低い理由は、3回目の必要性を説明するデータが無く、2回目接種以上の副反応が起こることを恐れているからだという。確かに、第6波の死亡者は、90%以上が70歳以上であり、若年者の重症化率、死亡者率は低かったのだ。若年者が2回のワクチン接種で重症化予防は十分と考えることも肯ける。では、4回目の接種は高齢者にとって有効なのだろうか。イスラエルの研究チームによると、4回目の後の抗体量は3回目以上に増えず、感染予防について3回目ほどの効果を確認できなかったという。ファウチ米大統領首席医療顧問は「新型コロナは変異が起こりやすく免疫が長持ちしないので、ワクチンで感染者を抑え込むこれまでの集団免疫の概念は適用出来ない」との見解を示している。mRNAワクチンは万能ではないのだ。それでも、3回のワクチン接種でも抗体ができにくい高齢者らがいるので、そうした人たちには4回目の意義はあると考えられているようだ。ところが今、3回接種済みが隔離不要の免罪符になっている。これも、そのうち「そんな時代もあったよね」と言われることになりそうだ。
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