国連総会が、拒否権を行使した常任理事国に説明を求める決議を採択した。決議は、拒否権発動から10日以内の総会招集を総会議長に義務付ける。総会開催の72時間前までに、拒否権行使に関する報告書の提出を安保理に要請。総会では行使国に優先的に発言を促し、説明を求める場とする、となっている。国連の安全保障理事会は常任理事国の拒否権の発動で殆ど機能していないのが現状だ。今回の決議を主導したリヒテンシュタインは「安保理が機能しない場合、各加盟国に発言権が与えられるべきだ。今日ほど効果的な多国間主義が必要とされている時代はない」と意義を強調した。全く仰る通りだ。そもそも国連は、第二次世界大戦で勝った連合国が中心になって設立された。再び世界大戦が起きないよう設立されたが、連合国が拒否権を得て主導権を握ったことが国連を機能不全に陥らせている。拒否権行使の説明責任は一歩前進だが、常任理事国への牽制に過ぎない。世界大戦後76年も経過した。今こそ、常任理事国の特権を取っ払い、新たな国連に生まれ変わらせるべき時だと思う。
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