デジタル庁が発足して半年が経過した。発足当時の惨状は「仏作って魂入れずのデジタル庁」に書いた通りだ。でも、デジタル化は世の流れだ。船出には失敗したものの、半年もすれば軌道に乗るかもしれないという微かな期待はあった。だが、微かな期待もキッパリと裏切られてしまった。デジタル庁は600人体制でスタートした。うち200人は民間人を採用した。しかも、いずれも優秀な若手で、将来を嘱望されていた人材だったとされている。その民間出身者が21年度末に大量に離脱したという。通信大手や外資系コンサルなどに転職してしまったのだ。理由は簡単だ。デジタル庁といいながら、結局はアナログで、官僚的支配が横行しているのだ。「会議が多すぎる。もう出たくない」「同じような書類を何度も作っている」などの不満が起爆剤になった。厳格な根回しや報告が求められ、民間出身者にとっては不毛な業務の連続なのだ。上層部はメールしか使えないという。牧島かれんデジタル大臣は何をしてきたのだろう。隣国にはオードリー・タンという優秀なIT大臣が存在している。下手な考えをするよりは、オードリー・タンの業績を手本にすれば、実績を残せると思うのだが。残念ながら、思いはそこにも及ばないということかもしれない。重ねて残念。
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