NHK日曜討論で「日本経済をどう立て直すか」と問われた萩生田経産相は「イノベーションがなかった」と答えた。萩生田といえば安倍の最側近で、時には安倍の代弁者となり「カラスは白い」と言う輩だ。アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略が3本の矢だった。しかし結局「異次元緩和」という1本目の矢に頼っただけに終わった。その結果、円安誘導で輸出企業の利益拡大と株高をもたらしたが、企業は円安にあぐらをかき、成長につながる技術開発や投資というイノベーションが進まなかった。萩生田の「イノベーションがなかった」という発言はアベノミクスを批判したものと言える。政権が岸田に移ったからとしても変質が甚だしい。そればかりではない。萩生田は文科相にも就いた。文科省は日本の科学技術振興の旗振り役だ。ところが、萩生田は振興に努めなかった。これでは国主導のイノベーションが生まれる土壌が出来るはずがない。どの口を開けて「イノベーションがなかった」と白々しく言えるのだろう。
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