インドネシア議会が首都をジャカルタからカリマンタン島に移転する法案を可決した。新首都の名前はヌサンタラでインドネシア語で「群島」を意味するという。因みに国名インドネシアのネシアは「諸島」を意味する接尾辞だ。もっとも、インドネシアは1万3千以上の大小の島で構成されているから「群島」に拘るのも分かるような気がする。現在の首都ジャカルタは、1千万人以上が暮らしており人口の過密化や大気汚染、地下水の過剰採取による急速な地盤沈下が問題となっている。交通渋滞も深刻だ。近年日本の鉄道が敷設され通勤が楽になったとのニュースもあった。移転先のカリマンタン島東部は、複数のジャングルやオランウータンの生息地、豊富な鉱物資源で知られている。多様な野生動物と豊かな熱帯雨林に恵まれた地域で、パーム油プランテーションと伐採の拡大を招くとの批判があがっている。先住民族を代表する団体もかねて、先住民族の生活環境や文化が危機にさらされる可能性があると懸念を表明している。パキスタンもミャンマーも政治的地政学的理由で首都を移転した。それに較べインドネシアは首都の環境悪化のため、新天地の環境を壊して移転することになる。大義があるようには感じないのだが。
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