岸田前政調会長が総裁選への出馬を正式表明した。「政治の根幹である国民の信頼が崩れている。たぶん良くなるだろうでは打ち勝つことはできない。最悪の事態を頭に置く必要がある」と述べたことは、菅政権の現状を良く理解していると思う。岸田は更に「菅は国民の声を聞いていない。民主主義の危機だ。二階は幹事長から外す」と暗に言った。己が立候補するのは「我が国の民主主義を守るためだ」と断言した。優柔不断と思われていた岸田がよくぞここまで表明したものだと感心した。「人間、やれば出来るじゃないか」と思う。男政治家としての忸怩の発露を感じた。あとは実行出来るかにかかっている。でも、一方で国民に迎合したポピュリストにも映る。「一国の宰相が国民の声を聞かない」のは、国民にとって不幸なのだろうかと考えてしまう。岸田が菅の独断政治を批判する気持ちは十分分かる。でも、国が危機に曝された時こそ、トップの決断が物を言うことになる。と考えると、菅は国の危機に対処出来なかっただけとも言える。従って、岸田の言うような「民主主義の危機」ではない。岸田は単に菅の失政を責めるべきだったと思う。もし自民の総裁選で菅が落選すれば、民主主義が正常に機能していたことの証明になるはずだ。
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