呉越同舟とは中国の春秋時代の話。仲の悪い呉人と越人が国境の渡し船に乗り合わせた。途中で嵐に遭い帆柱のロープをほどかないと転覆してしまう。その時呉人と越人が協力しロープをほどき難を逃れたという話。その時船頭は「呉と越がいつまでもこのように仲睦まじかったらどんなに良いことか」と感嘆し、後日「呉越同舟」という目出度し目出度しという故事成語になった。でも、現代に当てはめると状況は変わってくる。コロナ対策で、犬猿の仲である菅首相と小池都知事の意見が一致した。一緒に仲良く抗体カクテル療法の職場を見学し、抗体カクテル療法を即取り入れることになった。同時に酸素ステーションにも賛同し全国に酸素ステーションを設置することになった。でも、仲が良くなったのは良いが、解決策が間違っている。抗体カクテル療法は供給不足でコロナを鎮静化させる力が無いし、酸素ステーションは入院を先送りするだけでコロナ治療には役立たない。要するに故事に例えれば、ロープがほどけず、手漕ぎで船を操ろうと無駄な努力をしているだけだ。勿論両人を褒めてくれる船頭もいない。菅も小池も、すでにコロナ対策失敗の烙印を捺されている。その烙印を消し去るためのパフォーマンスの呉越同舟と考えると、妙に腑に落ちる。
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