朝日新聞出版と毎日新聞が、新型コロナウイルスワクチン大規模接種センターの予約システムに不備があることを指摘したことに岸防衛相が激怒しているとのこと。経緯はこうだ。架空の接種券番号で予約が出来るとの噂が流れた。朝日・毎日の記者は実際に架空番号で予約出来るのかを確認し、すぐに取り消した。システムに不備があることが判明したので、防衛省とシステムの委託先の会社に見解を求めたが明解な回答が得られなかった。そして不備の事実を記事に載せた。それに対し岸防衛相は「65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為だ。これでは現場の士気が下がる」などと批判を展開。防衛省を通じて2社へ抗議した。おまけに安倍前首相が尻馬に乗って「極めて悪質な妨害愉快犯だ」とツイート。国のシステムに不備が付きものなのは現実だ。でも、コロナ予約は急ぐから、軽度な不備は許容されるべき状況にある。重箱の隅を突っつく行為は慎むべきだと思う。でも問題は防衛省にある。指摘された不備をすぐに確認して朝日・毎日に回答すべきだった。もし放置されれば、多くの架空番号予約が成立し、現場は大混乱に至ったかもしれない。今回の指摘で不備が判明したのだから、むしろ感謝すべきだったろうと思う。では岸の怒りの原因は何処にあるのだろうか。恐らく、岸への事前連絡も無しに、菅が自衛隊を活用すると言い出したことにあるのだろう。岸は元々大規模接種センターに自衛隊を送ることなど考えていなかった。ヤル気のしない頼まれ仕事で、かつ不備にクレームを付けられれば、己の士気も落ちるはずだ。まずは自衛隊の活動範囲の定義と指示系統の見直しを図るべきだ。
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