福島原発事故が起きた当時、日本には54基の原発があった。その後廃炉が決定した原発は21基だが、1年前には9基が稼働している。菅政権がカーボンニュートラル(国内の温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする目標)を打ち出した。2030年度の電源構成比に占める原発の割合は20~22%。目標達成には30基程度の再稼働が必要とされ、おのずと新増設が必要となる計画だ。核燃料サイクルが破綻しており、福島原発事故の核燃料デブリ処理の見通しも全く立たず、トリチウム汚染水の処理方針も決まらないのに、既に原発再開を軸としているのが日本だ。一方、ドイツのメルケル政権は、福島原発事故を受け2022年までに脱原発を決めた。2011年に17基あった原発は既に11基が停止し来年はゼロになる。再生エネルギーへの転換が進み、17%から45%に高まったという。しかも、原発よりも再生エネルギーの方が競争政策により電力料金が下がる見通しという。二酸化炭素の排出量も3分の2に減り、ドイツは電力の純輸出国の地位を維持しているというのだ。この両国の差は何処から来るのだろう。諸悪の根源は日本の電気料金の総括原価方式にある。(明日に続く)
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