生活保護の受給資格がある人で受給を受けている人を表す補足率は、日本が22%なのに対し欧米では70~80%に達しているという。何故日本は低いのだろう。厚労省は「日本人は武士は食わねど高楊枝」的な気質があるからと言うが、生活保護の受給資格が壁になっていると言えそうだ。受給の要件は、収入が居住する地域の最低生活費を下回っていること、10万円以上の預貯金が無いこと、持ち家やクルマなどの資産売却が必要で、銀行融資などの資金調達の見込みが無いことが前提で、かつ、扶養照会が行なわれる。問題は扶養照会だ。欧米では親と子供の1等親以内が対象だが、日本では親兄弟から子ども、祖父母、孫、叔父・叔母、甥・姪までの3等親までが対象になる。受給申請をする身にとって、申請は大きな壁だ。親族郎党に生活保護の申請をお伺いすることになる。しかも、生活保護の申請者はプライドの高い高齢者が多い。生活保護の更なる問題は、生活保護から抜け出す意欲を無くす仕組みになっていることだ。仕事を始め収入を得るようになっても、その分生活保護費が減らされ、働き損が発生し、働く意欲を失ってしまうことだ。今の生活保護法は、入口も出口も間違っている。一国の首相が「最終的には生活保護がある」など、よく言えたものだと思う。
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