日本医師会など9団体が異例の医療緊急事態宣言を出した。このままではコロナだけでなく通常の医療も崩壊しかねないからだという。欧州では人口10万人当たりの死者が100人に達するのに、日本は2.4人。ほぼ40分の1に過ぎない。この人数で日本の医療が崩壊するのならば、欧州はとっくに全滅しているはずだ。でも全滅していない。日本の医療の水準は高いと言われてきた。人口当たりベッド数はOECD平均の3倍で世界一だ。コロナで人工呼吸の必要な重症患者は全国で約450人に対して、人工呼吸器は4万5000台もある。全国的には、重症患者が医療資源の限界を超えることは全く考えられない。欧州に較べ日本の医療体制は十分なのに何故医療崩壊が叫ばれるのだろう。問題は、法律と医療構造にありそうだ。行政が民間病院に指示できない仕組みになっている。昨年末厚労省が、民間病院は第1類・第2類相当の感染症については診療拒否できるとの通達を出した。民間病院が診療拒否するのは合法なのだ。行政は公立病院に指示出来るが、民間病院にはお願いするしかないのだ。因みに日本の医療機関数は8442と先進国では突出して多いが、公立病院はそのうちの20%しかない。コロナに必要な殆どのベッドや人工呼吸器は、民間病院で眠っているのだ。行政が民間病院に指示することが出来るように法改正を行なえば、たちどころに医療崩壊は防げることになる。特措法改正は喫緊の課題だ。まさに菅の出番と言えるのだが。
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