三菱重工が国産初の小型ジェット旅客機スペースジェットの事業化を凍結するとのニュース。新型コロナウイルスに託けて、やっと止めることに踏ん切りが付いたのかと嘆かわしく思う。経産省が小型ジェット機開発案を発表したのが2002年。三菱重工が事業化を決め開発に乗り出したのが2008年。2015年に初飛行に成功したものの、不具合続きで納期を6度延期。ANAやJALなど国内外の航空会社からの受注済み300機がパーになった。2019年には自力開発は不可能と判断し、何とトラブル塗れのボンバルディアと組んだ。ダメな様子をこのブログ「(-1)+(-1)=? 」にも書いた。案の定、技術的な進展は何も無かった。目指していた2021年度以降の初号機納入の夢も儚く消えた。これまで1兆円を超える開発費を投じたと言われている。壮大な無駄遣いと言える。今までに止める機会は何度もあった。当事者たちは新型コロナウイルスを天の恵みと思っているに違いない。官民による事業開発の典型的な失敗例と言えそうだ。飛べないジェット機だから、墜落しないジェット機だとも言える。
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