スリランカ政府が日本の支援で建設を計画していた2500億円規模の鉄道整備事業の中止を閣議決定したと発表した。この事業はシリセナ前大統領の政権が日本側と合意し、スリランカが中国の投融資への依存から脱却する動きとされていた。2005年から2015年まで大統領だったマヒンダ・ラジャパクサは、中国からの投融資で空港・港・高速道路の建設という大規模プロジェクトを推進したが、同時に汚職疑惑も取り沙汰された。しかも最悪なのが完済までに400年もかかるという「債務のワナ」に陥る状況を生み出してしまったことだ。しかし、中国の罠から脱却するため日本に切り替えたシリセナ前大統領も政変で評価を落とし、マヒンダ・ラジャパクサの弟ゴーターバヤ・ラジャパクサが次の大統領に就任した。そして兄マヒンダ・ラジャパクサが首相に就いた。結局何のことはない。再びラジャパクサ政権となり、中国投融資と汚職が再開されることになるのだろう。懲りないスリランカと言える。でも他国を笑っている場合ではない。日本でも懲りない政権が続いているのだから。
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