河野太郎行政改革担当相が精力的に活動を始めた。その姿勢は強権的な菅首相と似ているが、本質は全く異なっているように感じる。菅の動きは日本学術会議の新会員任命拒否問題のように、狙いも根拠も明らかにせず陰湿で、国のためではなく自我や保身のための行為に映る。一方、同じ強権的な動きだが、河野のそれは遅れに遅れた国の体質改善を抵抗勢力と闘いながら、日本の明日を拓く行為に映る。ハンコやファックスはタバコと同じ生活習慣病のようなものだ。断ち切ってしまえば、新しい生活に順応するものだ。しかも健康体に戻ることが出来る。ネット配信に慎重な文化庁の職員に、やる気が無ければ更迭すると迫ったが、迫らなければ官僚は動かない。中央省庁の人材不足を挙げてブラック化是正を言い出したが、人材補充よりもまずは無駄な仕事の見直し・削減だろう。「縦割り110番」の設置も的を射ている。河野も官僚も、縦割り行政の実害を知るはずがない。実際に困っている人の意見を吸い上げることこそ行革の一丁目一番地だ。菅は安倍の密室政治を引き継ぎ増殖しようとしているが、河野は青空政治で生活習慣病に病む日本を更生しようとしているかのようだ。
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