菅首相が「国民のために働く政治を行う」と言うなど、ちゃんちゃら可笑しい。まず組閣そのものが、国民を見ずに派閥指向だ。無派閥の菅が自民内で圧勝した理由は、票の見返りとして領袖らの要求を飲んだから。例えば、二階は平沢勝栄と坂本哲志の入閣を見返りとして菅支持に回った。出来上がった内閣は、全派閥から入閣させた。決して国民生活にとっての適材適所ではない。まさに究極の派閥力学と言える。加藤官房長官の第一声は「桜の会は不問にする」で、内閣の隠蔽体質は変わらない。縦割り行政を無くすと言う。確かに縦割り行政の弊害が多く改革は必要だが、鳥瞰図的視野に欠けている。菅の意向に反対する官僚は飛ばしてしまうから、今まで以上に官僚の忖度が増すことになる。携帯料金を下げさせると言い、一見国民目線のように映るが、長期的に見れば通信インフラの衰退を招き、国民を後進国民へと導くことになる。菅が主導したふるさと納税も小手先の政策だった。地方交付金をひも付きにせず、自治体に裁量権を与えれば抜本的な改革が出来たはずだ。全てが万事、無計画で刹那的な政策になっている。だからこそ、デービッド・アトキンソンを経済ブレーンにしたことは、せめてもの救いかもしれない。
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