9月1日から始まるマイナポイント事業が全く盛り上がっていないとのこと。うさぎ姿の舘ひろしが「5000円分もらえる」とテレビ宣伝しているあのマイナポイントだ。マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及を同時に狙った総務省の政策だ。決済手段を1つ選びマイナンバーカードに登録し、決済をすればポイント還元が受けられる仕組になっている。ところが、クレジットカード会社の9割以上が不参加を表明した。クレカ業界は表立って国に反対の表明はしてはいないが、猛烈に不満を抱いている。要因は2つある。一つは、6月まで実施されたキャッシュレスポイント還元事業の結果。大盤振る舞いをしたQRコード決済事業者の利用は4倍に増えたが、クレカは横ばい。もう一つは、政府がクレカ各社の決済手数料情報を開示する考えを示したこと。政府は手数料を公表することで競争を促し、手数料の抑制を図ろうとしたのだが、手数料はカード会社にとって、分割払い時の手数料と並ぶ2大収益源だ。クレカ会社の9割が不参加を決めたことは宜なるかな。端的に言うと、総務省の失策だ。本当にキャッシュレス化を推進したいのであれば、小手先ではなく、長期的な施策を明らかにして定着化を図るべきものだと思う。
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