トランプはスレイマニ司令官殺害について「戦争を止めるために行動した」と弁明しているが、完全に見当違いだったようだ。スレイマニはイラク、シリア、レバノン、イエメンという紛争地域でシーア派組織を仕切っていた人物だ。トランプはスレイマニを米国の敵と決めつけているが、一概には言えない。アフガン戦争では米国の敵アルカイダを掃討し、シリアではIS掃討作戦に協力した。スレイマニは最高指導者のハメネイ師と直接連絡を取ることができる唯一の軍人とされていた。米国にとっては、中東での決定的な軍事的な危機回避のための最終的な交渉相手でもあった。その最重要な交渉相手を消してしまったのだから、報復が始まったら歯止めが効かなくなるのは目に見えている。ニューヨーク・タイムズによると、昨年末米国人1人が死亡した攻撃に対し、米軍幹部らが最も極端な選択肢としてスレイマニ殺害を提示した。国防総省は歴代大統領に非現実的な選択肢を示すことで、他の選択肢をより受け入れやすくしており、今回もトランプが選ぶことは想定していなかったという。ところがトランプは一時の感情で選んでしまったとのこと。結局トランプは「戦争を止めないこと」を選択してしまったようだ。
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