大学入試センター試験に代わって来年度導入予定だった国語と数学の記述式問題を、萩生田文科相が延期すると発表した。正解だと思う。これで安倍政権が推進する大学入試改革の象徴でもあった共通テストは、英語民間試験と記述式の2本柱が折れることになった。元々大学入学共通テストに記述式を導入すること自体に無理があり過ぎる。50万人規模の採点を20日間程度で行うには1万人の採点者が必要とされ、採点ミスやブレは免れようもなく、不公平感甚だしい。何故これ程根本的な問題を孕む共通テストが実施直前まで行ったのだろう。有識者委員は「場の空気に抗えなかった」と弁解している。背景にあるものは、首相案件で方針が決まっていたことと、下村元文科相の暗躍だと思う。大学入試センターが2023年まで約61億円にのぼる採点業務の請負契約を締結していた「学力評価研究機構」が、ペーパーカンパニーである可能性があると日刊ゲンダイが報じた。しかも、学力評価研究機構はベネッセの子会社であることが判明した。ベネッセと下村はツーカーの仲だ。利権そのものと言える。利権が空気を支配し、泥沼に追い込まれ消滅した出来事と言えそうだ。
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