ガンビアが訴えたミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの迫害をめぐる裁判で、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問は、ロヒンギャに対する軍事行動を擁護し、大量虐殺の意図を否定した。スー・チーは「過剰な武力行使や略奪行為など国際人道法に反する行為があった可能性は否定できないが、大量虐殺の意図は無かった。我が国は人権侵害を容認しない。国際司法の介入は紛争を激化させかねない。こうした戦争犯罪は国内の司法手続きで処罰する」と反駁したという。でも、国連人権理事会の調査団は「作戦中に数千人の住民が殺害され、村々が焼かれた」と報告したし、70万人以上がバングラデシュに逃げたのも事実だ。非暴力民主化運動の指導者としてノーベル平和賞を受賞したスー・チーが実質的な大統領である国家顧問に就任したのが2016年だ。当時からロヒンギャについては言うこととやることが違う。この裁判でも、大量虐殺の意図が無かったことを証明していなし、人権侵害を容認しないと言いながら人権侵害を続けているし、国内法による処罰は望みようもない。最早落ちた偶像となってしまったようだ。ノーベル平和賞の返納が最低限の義務だと思う。
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