日経42面の見出しに「ゲノム食品、表示義務なし、消費者庁はリスク、品種改良と同等」にはビックリした。あれ程問題視されていた遺伝子組み換え作物が、知らぬ間にシラッと解禁されてしまったのかと思ったからだ。記事によると、ゲノム編集技術で開発された食品は食品表示を義務付けない。厚労省は10月1日より安全性の審査をせずに届け出制にし、違反しても罰則を科さない。これは一夜にして大変な事になると感じた。先日安倍首相が米国産遺伝子組み換えトウモロコシを大量に購入するとトランプに約束した事に対する厚労省の忖度かとも思った。ところが、調べてみるとゲノム編集と遺伝子組み換えは少し違う。ゲノム編集には2種類ある。狙った遺伝子を切ったものと遺伝子を加えるもの。前者は自然に起きる突然変異や育種改良によるものと科学的に区別がつかない。後者は遺伝子組み換え食品の規制対象で表示が必要。結局、今回の厚労省の方針の対象は前者のみのようだ。それにしても、この記事は紛らわしい、不親切だ、読者に誤解を与える。新聞記事の体を成していない。記事をハショリ誤解に導くのであれば、寧ろ掲載しない方が良い。限りなくグレーなフェイクニュースに映る。
コメントをお書きください