総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」が久々に仕事をした。2000年に委員会が設置されてからこれまでに審査が行われた事例は、2001年の横浜市による勝馬投票券発売税の1件だけ。18年ぶりに長い眠りから目覚め、新ふるさと納税制度から泉佐野市を外したことを再検討するよう、総務相に勧告した。新制度開始前の寄付の集め方を除外の理由とすべきではないという判断だ。法治国家では、法律を変えた場合にその法律を過去に遡って適用する事はできないというのが常識中の常識になっている。法治国家の不遡及の原則を総務相が破ったということだ。更に大きな問題は、地方分権の旗振り役の総務省が地方分権法を犯して、中央の権力で地方を力尽くでねじ伏せたことだ。地方分権法が成立した20年前は、これから地方が自由に活躍出来る時代が来ると期待したものだ。ところが中央の体質は今も変わらない。主役の総務省自身が分権の意味すらも忘れてしまっている。時代はまさに逆行している。
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