厚労省の中央最低賃金審議会が、2019年度の全国の最低賃金の目安を27円引き上げて時給901円にする方針を決めた。審議会は、経営者、労働者、学者で構成されており毎年抑えたい経営者と上げたい労働者の質の低いせめぎ合いになる。一方で政府は骨太の方針で3%超を提示し、結果として今年は偶々3.1%となり目安をクリヤーした。しかし、最低賃金の決め方には問題が多い。その場しのぎで計画性がないし、最低賃金を上げる目的が明確になっていなし、都市・地方間の格差が益々広がるばかりだ。少子高齢化が進めば、GDPが減少し日本は後進国に転落することになる。最低賃金を上げ生産性を延ばさなければ今のGDPを維持することは出来ない。政府が数十年先までの目標値を設定し、生産性向上を推し進める必要がある。更に、地方を創生するには、都市・地方間の格差を無くす必要がある。この最低賃金の格差是正こそ地方創生のキーファクターと言える。デービッド・アトキンソンが「日本人の勝算:東洋経済新報社」でこのように指摘している。日本が生き残るための立派な教科書がある。せめて首相と厚労相には読んで理解を深めてほしいと思う。
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