フィアット・クライスラー・オートモービルズFCAが、たった10日足らずでルノーとの統合を取り下げると発表した。FCAから見れば一躍世界トップに躍り出るチャンスだ。だから、FCAはルノーに統合を申し入れしたはずなのだが。統合提案の翌日、ルノーの筆頭株主である仏政府はFCAに「日産も統合の対象に入れろ。統合会社のCEOはルノー出身者にしろ。フランス国内での雇用を維持しろ。本社をフランスに置け」と注文をつけたという。統合すれば仏政府の意のままになる。取り下げは、FCAのエルカン会長が仏政府の姿勢に呆れ返ってさじを投げたためらしい。ルノーとの統合をいやがっている日産から見れば、FCA騒動は他山の石だ。これで日産の心も決まったに違いない。それにしても仏政府は民間企業に口を挟むことが多すぎる。でも、よくよく考えると日本政府も同じ穴の狢。外国企業のトップは政府の介入を公表するが、日本の企業は絶対公表しないだけの違いかもしれない。
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