名門の東洋英和女学院の深井院長が論文の捏造で懲戒解雇されたとのニュース。第一感として神学論争で負けたのかと思った。ところが、そんな高尚な話ではなく、単なる捏造という低次元なものであった。深井院長はドイツ宗教思想史の専門家で、著書は数十冊に上るその道の第一人者だ。でも、実在しない人物と論文を元に著書を書いたことがバレてしまった。しかも調査委員会に対し説明が二転三転したため、その悪質性が問われてしまった。このニュースを聞いて、旧石器捏造事件を思い出した。在野の考古学愛好者らが20年以上も次々と石器を発掘し、旧石器時代の歴史を塗り替えた。その道には欠かせない人物になり「神の手」とまで言われた。ところが、本人が予め埋めていたことが発覚し、殆どの史跡認定は取り消されてしまった。両者とも、最初は史実に忠実だったのかもしれない。ところが、それに慣れいつの間にか自分が神になったと錯覚してしまったのだろう。木は森の中に隠すのが最善の方法だという。でも山守の存在を忘れていたようだ。
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