年末にはまだ早いが、今年の一言は「なんとかなると思ったら大間違いだ」に違いない。福島原発事故を受け2013年に原発の新規制基準が施行され、認可から5年以内に特定重大事故等対処施設を設置することが義務付けられた。テロなどで原子炉が冷却不能になった場合、遠隔操作で冷却を継続する極めて重要な特定施設だ。でも稼働してから数年経っているのに、今になって関西電力、四国電力、九州電力が計6原発12基の特定施設の設置が間に合わないと言い出した。以前の原発ムラのルールであれば、ナーナーで遅延を認めただろうが、今は違う。原子力規制委員会は国や電力会社から独立した第三者委員会だから電力会社の都合など考慮しない。まさに原子力規制の番人だ。その原子力規制委員会の更田委員長が電力会社に「なんとかなると思ったら大間違いだ」と発言し、特定施設の設置が延びれば原発の運転を停止させると言い渡した。喉元過ぎれば熱さを忘れるという諺がある。政府は福島を忘れ国内原発再稼働や原発輸出に血眼になっている。もう熱さを忘れてしまったのだろう。福島原発事故以来、ろくなことは無かったが、原子力規制委員会が真面になったのが唯一の光明だと思う。
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