新五千円札の津田梅子の肖像が物議を醸している。実在している右向きの肖像写真を左向きに反転し使用したからだ。ある津田塾大卒業生は「伊藤博文だったら反転するのか?」と怒っている。一方財務省は「反転などの加工は問題ない」としている。肖像画像の反転について自分はこう思う。自分は毎朝晩洗面所で歯を磨く。否応なしに鏡で自分の顔を見ることになる。これが自分の顔だと思っていた。ところが、写真に写る自分の顔は少し雰囲気が違う。鏡で見る顔は反転しているが、写真の顔は他人から見える自分の顔なのだ。顔が左右対称な人は殆どいない。右向きの顔は好きだが左は嫌いだから写真を撮るときはいつも右を向くという極端に拘る人もいるくらいだ。津田梅子は江戸時代の生まれだが昭和の初めまで生きた人物。明治初期の人物と違い肖像写真の量は豊富だ。肖像権がある時代に生きた人物とも言える。だから反転して使用するからには誰がしかの許可が必要だ。今回の問題は、無断使用した財務省に落ち度があると思う。5年後に新五千円札が出回ったとき、天国の津田梅子は「あら、偽札ね」と呟くかもしれない。
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