EU首脳会議は、英国の離脱期限を10月末までに再延長したようだ。EUも英国も「同意なき離脱」は避けたいのだろう。英国は離脱案件でゴタゴタしているが、EUにとっても英国離脱問題は頭痛のタネのようだ。いまは英国に焦点が当たって騒いでいるが、EUのことも考えてみた。EUにとっても喫緊に対応すべき課題がある。自動車関税を筆頭に貿易摩擦が深刻化している。欧州防衛の要であるNATO体制を米国無しで考えなければならない。中国の一帯一路計画に参加するEU加盟国が増えており、EUとしての統率の取れた対中戦略を構築しなければならない。中国や米国に比べて遅れている人工知能の研究開発を加速しなければならない。これらの課題の進捗を英国離脱問題が邪魔をしているという構図だ。マクロンが「英国離脱は早期に決着をつけろ」といきり立つのは分かるような気がする。EUは全加盟国が合意しないと物事が決まらない。動きが悪いことが最大の欠点だ。収拾の着かない英国と柔軟性の無いEUなのだから、英国離脱は永遠に決まりそうもない。
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