米連邦航空局FAAの信頼が揺らいでいる。ボーイング737MAXがインドネシアとエチオピアで相次いで墜落した。原因はまだ解明されていないが、失速を防止する制御ソフトの欠陥がクローズアップされている。問題は3つある。ボーイングが早急にFAAの認可を取るために新制御システムを搭載したのにFAAに申請しなかったこと。ボーイングがパイロットに新制御システムの研修・教育をしなかったこと。新制御システムの一部をオプションにして安全よりも価格を優先させたこと、だ。制御ソフトの欠陥は1時間で治せる程度のものだという。ところが運航再開はほど遠い。何故なら、FAAの信頼が落ちたからだ。墜落事故で各国は運航を停止したが、FAAが問題なしとしたため米国の運航停止が後れを取った。今までは、FAAが認可すれば各国もFAAに右に倣えで認可していたが、各国はFAAを信用しなくなった。各国独自で確認作業をすることになった。FAAは二度とミスが無いよう慎重に確認作業をしているので認可には時間がかかる。各国にとっては慣れない作業なので、それ以上に時間がかかるはずだ。ボーイングの経営判断ミスとFAAの怠惰で、世界の航空界の勢力図が一変しそうだ。
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