政府が東日本大震災の追悼式を開催し、式典実行委員長の安倍首相が式辞を述べた。大まかな内容は次の通り。「震災から8年がたち、被災地の復興は着実に前進している。地震・津波被災地域は今年度末で完了する。未だに仮設住宅での避難生活を強いられている1万4千人にも切れ目のない支援を行う。原子力災害被災地域も、今後帰還に向けた支援をする。災害に強い国創りのため沿岸をコンクリートで固める国土強靱化を進めていく。わが国が有する防災の知見や技術をもって国際貢献をしていく。」安倍の心の中では東日本大震災は既に過去のものになってしまっているようだ。復興庁は2021年3月に廃止されると決まっている。その先は未定だ。しかし、現実には未だに5万2千人が避難しており、福島では原発事故のため3万2千人が県外に避難中だ。原発の廃炉計画はお先真っ暗だし、放射能汚染地域の除染の見通しも立っていない。政府のなすべき順番が間違っていると思う。まずは被災者の救済だ。5万2千人が故郷に戻れるための方策に万全を期すことだ。除染困難な地域を明確にし、住民にはそれなりの対応を取るべきだ。廃炉は国家プロジェクトとして精力的に取り組むべきだ。強靱化計画は自然を壊すし税金の無駄遣いだから止めた方が良い。寧ろ防災研究に力を注ぐべきだ。官僚の作った文言を読むだけでは、被災者の鎮魂に役に立ちそうもない。
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