ソフトバンクの動きには驚かされる事が多い。ソフトバンクグループが事業の軸足を投資に移すという。人工知能などの先端技術分野で先行する世界の新興有望企業への投資を加速し、囲い込む戦略とのこと。その資金を得るため来月中旬に通信子会社のソフトバンクを東証に上場する。1株あたりの想定売り出し価格は1500円で、時価総額は7兆円超。約4割を売り出すので、調達資金は2兆6千億円強だとか。これだけでも驚きだが、もっと驚いたのが子会社ソフトバンクの人事移動だ。数年内に1万7千人の従業員のうち9千人をグループの新ビジネスに配置転換するという。何と半分以上を動かすのだ。国内の携帯電話市場が飽和し、料金の値下げ圧力が高まっているとは言うものの、余りにも大胆過ぎる計画だ。そのためには、既存事業の人員を半減させるとともに生産性を2倍に向上させることも目論んでいるという。自分も嘗ては従業員1万人の企業に属していたが、想像も出来ない超大規模な人事異動だ。ただ、リスクも膨らんでいる。ソフトバンクグループの連結有利子負債は18兆円で、利払い負担も飛び抜けて大きい。起業家の世界と言うよりも博打打ちの世界にも見えてきた。
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