高級すし店の銀座久兵衛が、1000万円の賠償をホテルオークラに訴えたとのこと。オークラの建て替えに伴い、従来のメインエリアから別館の片隅に追いやられたことに対する抗議だという。でもメインエリアには久兵衛から独立した従業員が立ち上げた競合店が入居するというから寿司そのものが廃れた訳ではなさそうだ。そもそも、ホテルのテナントを決める権利はホテル側にある。久兵衛の訴えには違和感を覚える。自分は高級すし店などには行ったことがない。イメージ的には、大将が食事作法を仕切り、値段は時価だから幾ら代金を要求されるか分からない怖さがある。客は寿司を堪能するだけでなく、同時に自身のステータスを味わうことの対価を払っているのだろう。だから、一般庶民が行くような処ではない。有名人や社用族が自腹でなく経費で飲み食いする場所だと思っている。多分外人の多いオークラは久兵衛が時代にそぐわないと判断したのだろう。結局片隅に追いやられたのは、久兵衛の身から出た錆なのかもしれない。いや寿司屋だけに「身から出たワサビ」と言うべきかもしれない。いずれにしても一連の騒動はサビが利きすぎているようだ。
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