シリアで40ヶ月間も反政府勢力に拘束されていたジャーナリストの安田さんが解放され無事帰国した。ジャーナリストの鏡と賞賛する人もいれば、自己責任だと非難する人もいる。危険を冒してまで現地取材をする真の理由は、本人にしか分からない。その理由次第で、評価は分かれるのだろうが、自分には分からないから何も言わない。でも、こういう危険な仕事が必要か不要かは判断出来る。行かなければ何も分からない。紛争地での取材は、国際社会に一つの判断材料を提供することになる。英BBCは、紛争の最前線に頻繁に記者を派遣する。記者は体を張って取材を続け、記事を送り続ける。大変な勇気と努力だと思う。ジャーナリストの使命こそが記者を突き動かすのだろう。一方、日本の所謂ジャーナリストたちは決して命を賭けるような取材はしない。国も会社も危険地帯に行くことを禁止する。でも紛争地のニュースは流れてくる。何処から入手しているのだろうか。体を張ったBBCの記者たちの生々しい記事を、空調の効いたオフィスで編集・翻訳して、如何にも取材したかのようなしたり顔でニュースを流すのだ。真のジャーナリストとは何なのかを考えさせられる安田さんの帰還であった。
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