化学会社での研究生活が長かった。仕事の基本はPDCAだった。Plan→Do→Check→Action→Planのサイクルを回していく。何を開発しなければならないかが分かっていた。その目標に到達するための計画をまず作ることが大切だった。だから、Planから始まった。ところが、もうPDCAは時代遅れの手法だという。今は時代の先行きが不透明な時代だ。何を開発したら良いのか、何をやるのが正しいのか分からない時代に突入した。PDCAが開発を阻害している。今求められているのはデザイン思考だという。機能性だけなく見た感じ、製品がもつストーリー性、論理ではなく共感、遊び心などのコンセプトが大切だという。時代の変化が速く、何が売れるかも分からない時代には、潜在的なニーズを探し出すことが重要だ。そのためには、まずやってみる(Do)。確認と軌道修正(CheckとAction)をしながら、大きな方向性が見えて初めて計画(Plan)が立てられる。思考方法は時代とともに変わるものだ。でも時代は繰り返す。今こそサントリーを創業した鳥井信治郎の「やってみなはれ精神」に立ち返る必要がありそうだ。
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