大地の芸術祭を見に初めて十日町を訪れた。越後湯沢でレンタカーを借り、拠点施設のキナーレ、農舞台、キュロロを周り松之山温泉に1泊の行程だ。芸術祭トリエンナーレは今月の17日までだ。夏休みも終わっている。多分がら空きだろうと思っていたが、豈図らんやキナーレは混んでいた。しかも、年寄りから若者や子供まで、個人も団体も幅広い層の人々が訪れ町に活気を与えていた。恐らく祭りが終われば閑散とするのだろう。そう考えるとこの祭りは町興しとして大成功の部類だ。地方を活性化させる好例だと思う。この地域は起伏に富んでいる。町中を外れると殆ど平地が無い。トンネルが多い。昔の人の生活は大変だったろうことが忍ばれた。平地が無いから棚田が多い。黄金色に染まった稲穂の棚田が一枚の絵になっていた。キュロロの美人林はその名の通り美しかった。一面が高く伸びた比較的若いブナの林で、まるで東山魁夷の絵を彷彿とさせた。野鳥観察でも有名で運が良ければアカショウビンが見られるようだ。宿の温泉は源泉掛け流しだった。この付近には火山は無い。不思議に思っていたが、地殻変動で閉じ込められた一千万年前の海水が、マグマで温められ噴出したものとのこと。日本三大薬湯の一つと言われている。熱い塩水なので保温効果が高く、運転の疲れが一発で吹き飛んだ。何処へ行っても町興しに取り組んでいる姿が目に残った。来て、見て良かった。
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